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羽生結弦、ケガからノーミス完璧な「異次元演技SP」→金メダルで連覇。なぜ逆境に強いのか?

アスリートが逆境からのスーパーパフォーマンスを見るとき、驚嘆してしまいますよね。

 

平昌オリンピックを前にケガで満足に練習できてない。

しかもソチの金メダリストとしてもプレッシャーはかかる。

準備不十分でしかも、ケガの回復状態も完璧とは言い切れない。

 

そんな中であの「異次元」と表現された演技。

「なんちゅう心臓してんだよ」と思ったはずです。

 

ノーミス完璧演技ノーカット実況なし(youtubeで直接見てください)

 


同じフィギュアのソチ五輪で浅田真央のフリー。

冬季五輪と言えばで1998年長野のスキー団体、原田雅彦のスーパージャンプ。

 

WBCのイチローも記憶にあると思います。

 

ここ一番で会心のパフォーマンスをする選手たち。

 

なぜそれを可能にするのか?

メンタルの部分でわかっていることを説明してきます。

 

 

なぜ羽生結弦は逆境の大舞台に強いのか?

 

ソチのメダリストになって一気に存在を知られることになりました。

しかし、フィギュアスケーター羽生結弦という選手はスケートを始めてから順風満帆ではなかったのです。

 

練習場のスケートリンクが閉鎖されるなど、練習が満足にできない時期もありました。

練習場のあった仙台で東日本大震災に遭いました。

 

ケガしたのは今回だけではなく、過去に何度も経験済。

 

ましてフィギュアはメジャーで練習できる環境のあるスポーツとは違います。

日本での環境はまだまだ十分ではありません。

 

彼の中で「順風満帆」なんてことはそもそも存在しないということが感覚的にもわかっています。

 

 

子供の頃から逆境だらけだった

 

普通の人の感覚だと、

 

  1. 練習量も豊富
  2. ケガもなく万全の状態
  3. 直前まで万全の練習

 

これこそが最高のパフォーマンスをできると考えます。

 

3つ揃わないと不安材料なんて考えますが、そんな都合よくはありません。

 

もともとそんなものは存在しない環境がメンタルを作ります。

いい環境と設備、豊富な練習量は選手の技術を向上させてくれます。

 

しかし、逆境へのメンタルまでは育てにくいというデメリットもあります。

人生の大半を順風満帆じゃない中を生きてきたことが強心臓を作る土台になります。

 

悪い環境は強心臓を作るという思わぬ良さがあります。

 

逆境は飛躍のバネになる

 

私の個人的な体験ですが、公立の進学校に落ちたことがあります。

すべり止めで受かった私立高校がまさに典型的なボンクラ学校。

 

学費と入学金がタダだったので通いました。

 

私立でありながら、自分に合った勉強をできることはなかったです。

普通の進学校ならどこにでもいるレベルの私についてこれません。

 

授業は中学1年の基礎レベルからやり直すというもの。

寝てても満点取れるぐらいの内容しかできません。

 

学校にいながら、大学に行くための勉強できない日々が続きました。

 

私は1人で自分の勉強をしなくてはなりません。

いろいろ試行錯誤して独自にやる毎日でした。

 

進学校にありがちな手取り足取りで考えずに

「これさえやればいい」的なものは一切なかったです。

 

そのおかげで今となっては仕事で活きてます。

 

誰も教えてくれない環境

何もない環境

 

こんな中にあっても自分で何かを立ち上げて、工夫してやり遂げる技術がつきました。

そういう方がワクワクしてしまいます。

 

私立高校に通いだしたときは「なんでこんな目に遭わなくちゃいけない」と嘆いたこともあります。

振り返ると、あの逆境こそは自分を磨くいい時間だったと思えます。

 

なぜメダルを取れるかもしれない選手が大舞台で活躍できない?

 

実力的にはメダルを取れるのに、なぜかいつも大きな大会では勝てない。

もちろん運もあります。

 

何もないのにパフォーマンス発揮できないという選手が結構いますよね。

 

彼らによくある共通点。

それは順風満帆にして不安を除こうとするからです。

 

不安=敵

 

こういうメンタルをしてると、大舞台になると力を出せないまま終わります。

どの分野でも本番に弱いタイプとかいますよね?

 

  • 不安をのぞくために練習する
  • 悪いイメージを持たないために練習する
  • 不安にならない環境にしようとする

 

練習するという行為は同じでも苦しくなるばかりです。

練習でうまくいってないとますます不安が膨れ上がって、コンディションにまで影響します。

 

人は生きてる限り不安は消えません。

不安はあっていいもので感じない方がおかしいです。

 

悪いイメージを消すために必死になると返って悪い方になります。

不安は押さえ込もうとすればするほど、大きくなる性質です。

 

恋愛で言えば、振られるかもしれないという不安を消すために

必死になってると必ず振られるような感じです。

 

練習は自信をつけてはくれますが、不安にかられて練習し続けるのはパフォーマンスを下げます。

無意識のうちに悪いイメージを刷り込んでその通りにしてしまいます。

 

単純な練習量だけでは結果が出せないで終わるのはこういう部分があります。

 

 

ほしい結果を実現してるイメージするのが練習

 

 

私は筋トレをしてますが、38歳にして過去最高の筋肉がついてます。

 

重さを上げたときは上げきっているイメージを持ったままトレーニングします。

もちろん最初から満足に回数もできないし、上げられないです。

 

ヒーヒー言う時間が何よりも楽しく思えます。

おれは実現に向かってるという感じがします。

 

その期間を超えて、できるようになってる自分を想像しながらやってると楽しくなってきます。

 

筋トレができなかった頃は

 

「こんなの無理だし」

「おれのできることじゃないな」

 

と思いながらやってました。いつまで経ってもできないままでした。

結果の出ないイメージばかり考えてました。

 

できないかもしれない

できるわけがない

 

こういう思考をしながら、練習しても成果は出ません。

これじゃ楽しくないですね。

 

私のような個人レベルの筋トレでも結果がメチャクチャ違います。

トップアスリートの域でも同じような引き出しができます。

 

練習=苦行と考えるアスリートもいます。

ただ、苦行してればいい結果が出しやすいわけではありません。

最高のパフォーマンスを必要なときに引き出せるわけでもありません。

 

ここが違います。

 

羽生結弦は金メダルを取ると公言してから、

ケガをしたり、ハイレベルな戦いになっても「練習が楽しい」と言い切ります。

 

彼の中で練習=ほしい結果を実現しているイメージを刷り込む作業

 

金メダルを取る

優勝する

 

その結果を実現できるパフォーマンスをイメージして練習してます。

 

脳には現実と想像を区別することができません。

脳でイメージしたことを実現する潜在意識とかやつです。

 

うまくいってるイメージを常に持って、その中で練習の中で必要な修正を加える。

実現につながっていると思いながら、練習してると本番を何度も経験してることと同じになります。

 

本番に弱い人は本番で最高のパフォーマンスしてるイメージよりも

失敗してるイメージを消すために躍起になってる事が多いです。

 

失敗しても死ぬことはありません。

 

羽生結弦曰く「僕はオリンピックを知っています」という発言。

ビックマウスとも取れる発言ですが、彼は元々逆境の中を生き抜いてきた人物です。

 

オリンピックは想定外と逆境の魔物だらけの大会です。

 

逆境の中でこそ目標を実現するイメージを持つこと。

逆境を超えての実現をわくわくしながら練習してる人は強いです。

 

メンタルは常に逆境があることが当たり前。

それを乗り越えることも過程の内に入ってます。

だからこそ強い。

 

逆境がなく順風満帆を安心材料にしない。

 

順風満帆なんてない=オリンピックを知ってる

 

逆境そのものさえも彼には当たり前で楽しむ材料でしかなくなっている。

 

羽生結弦というスケーターの強さの秘密はここだと考えています。

 

 

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